10年目のファンレター
神宮寺勇太くん、23歳の誕生日おめでとうございます。
私が貴方の存在を知ってから10年が経ちました。
田舎の中学生だった私は東京の会社員になったし、芸能界の右も左もわからなかった男の子は日本を席巻するアイドルになりました。
10年で私たちは大人になれたのでしょうか。
私は未だに、夜中のトイレが怖いし、休みの日はゲームで遊んでいるし、高いヒールの靴は履けないし。
私は未だに、あなたが好きで応援をしている。
大学の先生に「1つのモノをずっと好きなのは進歩がない」と言われたことがあります。
その意見には賛成です。
永遠に1つのモノが好きなんてことはないし、私たちは成長していく生き物だからどんどんいいモノを見つけて好きなモノをアップデートしていくべきだと。
しかし、その定義に当てはまらない場合もあると思います。
それは好きである対象のモノも成長している場合です。
私がずっとポケモンやどうぶつの森で遊べるのは時代と共に進化しているからだし、私がずっと日清のチョコフレークと明治のヤンヤンつけボーを食べているのも細かな商品開発がされているからだし、私がずっと神宮寺勇太くんを好きでいられるのも貴方の成長があるからだと思います。
私がずっと神宮寺勇太くんを好きなのは、私が成長してないからじゃなくて。
私も、神宮寺勇太くんも、成長しているから。
そのことを10年間、証明し続けてくれてありがとう。
きっとこれからも貴方は止まらずに成長し続けるのだろうし、私はきっとこれからも貴方が好きで応援していると思います。
努力というのはいつもシリアスな苦労のように、涙を誘う感動のように扱われるけれど。
そうじゃないことを、私は貴方の努力と自分の努力から知りました。
私たちの努力は、苦労でも感動でもなくて、夢中なんだと。
貴方は多分、周りになんと言われようとアイドルでいることを辞めないし、私は多分、周りになんと言われようと自分のやりたいことをやってしまうのだと思います。
神宮寺勇太くん、貴方の、夢中の10年間。
とてもカッコ良かったです。私も貴方のようにありたいと思います。
神宮寺勇太くんが理由なく優秀な人間として生まれたわけではなく、日々の行動によって構築された優秀な人間であることが私の誇りです。
そんな人を好きになれたことが、私の誇りです。
きっとこれからも貴方は夢中の日々を構築していき、どんどん高いところへ歩んでいくでしょう。
そんな日々の中でも、どうしようもないことは起こると思います。
自分の力ではどうにもできない、夢中だけではどうにもできないことが。
それでも貴方は世界に行くと言いました。
約束したと、世界に進出すると、貴方たちは言いました。
私は世界と戦ったことがないから、貴方たちにどんな壁が待ち受けているのかも想像がつきません。
小柄で童顔なことが壁になるのでしょうか。
貴方たちが磨いてきた歌やダンスですら稚拙だと言われてしまうのでしょうか。
日本で輝く貴方たちも世界という広い場所では小さな瞬きに過ぎないと見えないフリをされてしまうのでしょうか。
目指す場所が高ければ高いほど、苦しいことは多くなると思います。
苦しくなくちゃ、頑張ったことにならないなんて言う人もいるでしょう。
それでも、苦しみ以外にも、貴方たちを上へ導くものがあります。
初めて自分のうちわを客席に見つけた時。
600席の劇場で歌っていた時。
お店に自分たちのCDが並ぶのを見た時。
私にはわからないけれど、どの瞬間も、きっと楽しくて嬉しかったはず。
今までの苦しかったこととか、全部忘れちゃうぐらいの喜びがそこにはあったはず。
いつだって、貴方たちを導くのは出来なかったことが出来た時の楽しさや誰かとそれを共有する喜びだということ。
エンターテイメントというのはどこまでいっても娯楽で、アイドルというのは消費されるものであるけれど、ファンである私たちの感動はいつだって本物の喜びだということ。
苦しい、悔しいという気持ちも、もちろん上へ導いてくれる時もあります。
それでも、全ての人がたどり着けるわけではない険しい山を登る時に、私たちを上へ導いてくれるのは楽しい、嬉しいという気持ちだと思います。
楽ではない道だけど、楽しいことをどうか忘れないで。
10年で、貴方は物事をどう捉えるように変わったのでしょうか。
怒られたり凹んだりすることが起きても、「あ〜あ、俺ってかわいそう」と思って終わりだと言っていた貴方はまだいますか。
どうか、そこは変わらないでいてください。
理不尽な目に会うことも多い職種でしょうが、受け流せるだけの器量を貴方は持っていると信じています。
些細な、理不尽な出来事だけじゃなくて。
人生を左右するような大きな渦に飲まれたとしても、どうか自分を信じて、仲間を信じて、進んでください。
今日のこの10月30日で貴方がドン底だったと語った18歳から5年が経ちました。
これからの長い人生で、ドン底が何度あるのでしょうか。
どうか、23歳の1年がドン底ではなく、これからの未来に歩んでいく大きな一歩の1年となりますように。
もし、ドン底となってしまっても、貴方が諦めることがありませんように。
血反吐を吐いても走り続けることを、貴方が選びますように。
L&の配信初日のMCでみんなが各々の仕事の宣伝をする中、貴方は1人、静かに聞いていました。
2日目にはDREAM BOYSの宣伝ができるようになりましたが、それでも、単独の仕事ではなかった。
私ももちろん悔しかったけれど、貴方はどう思ったのでしょう。
貴方は滅多に心を乱すことはないですが、悔しいと思ったのでしょうか。
グループが人気の絶頂になろうとしている今、たくさんの仕事がメンバーに振り分けされて、その分配が偏ることもあるでしょう。
そんな時、『焦らず、ゆっくりでいい』と周りは言います。
『チャンスは等しく回ってくる』と。
そんなことはないです。
チャンスは準備された心に降り立つ。
偶然は準備のできていない人を助けない。
幸運は用意された心のみに宿る。
フランスの細菌学者ルイ・パスツールの言葉です。
『Chance favors the prepared mind』
私は貴方が特別好きだけれど、モデルができるほど背が高いわけではないし、演技派と言われるほど演技の経験も積んでいないし、グループの中で目を引くほど歌やダンスが飛び抜けて上手いわけじゃない。
他人よりチャンスが少ないと、心得てください。
そして、その少ないチャンスを1つも取り零すことのないように掴んでください。
貴方は、貴方こそは、いつも万全でチャンスの最前列にいてください。
10年で貴方は努力というのをどう捉えるように変わったのでしょうか。
座右の銘は「天は自ら助くる者を助く」だと言った貴方はまだいますか。
どうか、そこは変わらないでいてください。
時の運が人生を左右することもある職業ですが、貴方が天さえも味方につけるような、正しい努力のできる人であることを私は信じています。
普段を蔑ろにする人たちには掴めないチャンスを、掴んでください。
笑われても、貶されても、チャンスを掴んでほしいです。
貴方がそのチャンスを掴む瞬間、きっと私たちも息を飲んで見届けられることを願っています。
そして、そのチャンスを掴んだ先にある未来を見ることも叶いますように。
23歳というのは人生で楽しい時期だと思います。
若いからこそ出来ることもたくさんあると思います。
それでも、アイドルという職業を選んだ貴方には出来ないことがたくさんある。
同世代の子たちが、自由に恋愛を楽しんでいたり、何のプレッシャーもなく休日を楽しんでいることがとても羨ましくなるときもあるかもしれない。
23歳の時しか出来ないこと。
貴方しか出来ないこと。
どちらが貴方にとって大切かは、私にはわかりません。
そもそも、自分にしかできないことってなんなのだろうと、日々もがいているのでしょうか。
もがくだけの価値が、貴方にはあると思います。
苦しくて、辛くて、どうしようもなくても、その先の光を信じる価値が、貴方にはあると思います。
美しさとは、光がなければ見えないものです。
私の知らないところで、自信をなくしてしまったり悩んだりして、自分の暗い影が見える時、貴方は光の中にいるということを忘れないでほしい。
光の中にいるからこそ、影が見えるのだと。
挫け、悩み、戦う、その姿こそが、美しいのだと、忘れないでほしい。
大好きな貴方が、苦しむ姿なんて見たくないけれど、それでも、苦悩のない人生などないのだから。
笑ってる貴方だけしか見ていない私たちには、わからないこともたくさんあると思います。
もし、私だけじゃない多くのファンの声で、貴方の苦悩が少しでも和らぐのなら。
私は、この先の10年も、貴方が好きだと声に出して言いたいです。
だからこの先も、私が『King & Princeの神宮寺勇太くんが好きだ』と言っても、笑われないようなアイドルになってください。
これまでの10年、私は貴方にたくさんの願いを掛けていたし、これからの10年も貴方にたくさんの希望を託してしまうでしょう。
それでも、私が貴方に何かを願う時、無理だろうと思って願うことは絶対になかったです。
貴方が贔屓なしに歌が上手いと言えるようになると思っていた。
貴方が平野紫耀や髙橋海人の間で踊ってもダンスが上手いと言えるようになると信じていた。
貴方が大歓声を浴びてデビューすることを疑っていなかった。
そして今は、貴方が世界的なスターだと贔屓なしに言えるようになることを、信じて疑っていないです。
この願いは、ファンではない人には無理だと言われてしまうかもしれません。
でも、私は信じているし、貴方は叶えようとしてくれる。
ジャニー喜多川が最後に送り出したアイドルは、ポケットに手を突っ込んで立っていても歓声が上がるような、何があってもショーを続けるような、世界を股に掛けるような、スターになる。
夢を見過ぎでしょうか。
でも、アイドルというのは夢を見せてくれる存在だし、貴方たちにとってこの願いは、単なる夢や目標じゃなくて、約束だから。
もちろん、貴方1人では無理かもしれない。
貴方には最強の仲間が5人もいるのだから。
信じて疑ってないよ、神宮寺勇太くん。
10年後の貴方は、どこで、どんな歌を歌っているのでしょうか。
東京ドーム、新国立競技場、もしかしたら、アメリカやヨーロッパのステージで。
ここまでの10年間は長いようで短かったから、貴方が遠くの国でライブをする日もすぐきてしまうのでしょう。
待ち遠しいです。
私たちファンの夢が、貴方の夢が、叶うのが待ち遠しいです。
たとえ、その瞬間を自分のこの目で、見ることが出来なくても。
まぁ、別に私のことはいいんですよ。
たくさんの声援をもらって私が声をあげなくてもよくなったって。
私が生で貴方を見る機会がめっきりなくなったって。
寂しくなる時もあるかもしれない。
でもやっぱり好きだから。
会えないっていうだけで、遠くにいるからってだけで、嫌いになったり出来ないです。
元から近くもなかったわけなので、貴方がどこまで遠くに行ったって、対して変わらないです。
だから、距離が遠くなって悲しんでるファンもいるかなとか、貴方が気を揉む必要はないです。
今の貴方を、応援できる人が、応援しています。
10年後の私が、貴方を応援できる人でいれますように。
それは、私への願いです。
気力、体力、経済力、全てが貴方を好きだという気持ちについていけていますように。
全てを捨ててまで貴方を応援するつもりはないですが、自分の大切なものと、貴方への気持ちとのバランスが上手にとれていますように。
10年後の世界はどんな風に変わっているのでしょう。
誰も想像できなかったスマートフォンの普及、SNSの登場に、新型コロナウイルスの脅威。
この10年で信じられないことがたくさんありました。
誰も予想できないことなんてたくさん起こる。
貴方の、予想できないほどの広い未来。
それでも、遠くない未来で、貴方が輝いていることを、いつも祈っています。
10年後の貴方は今、笑えていますか?
明日を信じていますか?
もがいて苦しんでいたとしても、私たちが伝える「大丈夫」のたった一言だけで貴方が前を向けるなら。
何度だって伝えてあげたい。
私たちがもがいて苦しんでいる時、いつも寄り添ってくれるのは貴方のその歌声と笑顔だから。
いつか、貴方の苦しかったあの時の気持ちも、悔しかったあの時の景色も、綺麗で儚い思い出になる。
どうするのが正解だったのかなんて答えは多分この先の未来になってもわからないのだろうから、目の前の今を重ねていってください。
貴方が重ねた努力をいつも大切に見守っています。
貴方が歌った歌をいつも大切に聴いています。
貴方が紡いだ言葉をいつも大切に覚えています。
私は貴方が死ぬ時が貴方のアイドル人生の終演であることを信じているので、私の見ている努力や歌や言葉が、貴方の人生のほんの一部だったのとしても、それを見せてくれることが嬉しいです。
50年後か30年後か、はたまた明日かもしれない最後のその日まで、貴方を見守っていられますように。
いつも、貴方の幸せを願っています。
永遠に同じものが好きなんてことはないからせめて、10年先の未来も、そう思えていますように。
23歳という若きこの1年を大切に過ごしてください。
誕生日おめでとうございます。